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執筆者の写真深澤 チトラートン

タイの「Tax Invoice」と日本の「適格請求書」の違いについて


タイの会計業務

タイの「Tax Invoice」と日本の「適格請求書」について


 タイの「Tax Invoice」について、日本の「適格請求書」と比較しながら整理します。 

 日本では2023年10月1日よりインボイス制度(Invoice System)が開始することになり、ようやく、タイと同様に仕入税額控除を受けるためには、一定の事項が記載された請求書(適格請求書)とその請求書の保存が必要となります。


 このインボイス制度について、日本では「適格請求書」という名称となっています。タイの「Tax Invoice」と同じように思われていますが、同一というものではありません。今回、両者の共通点・相違点について、解説したいと思います。


主な共通点について


1. 商品またはサービスの取引価額および取引先に請求した価額に課される税金(付加価値税/消費税)を証明するための書類である。

2. 書類発行は課税事業者に限定される。

3. 税法に適用できる重要記載事項が定められている。


主な相違点について


1. タイは「Tax Invoice」として一つの書類に内容を集約しなければならないが、日本では一つの書類でも相互の関連が明確な複数書類(納品書と請求書等)でも一つの適格請求書として認められる。


2. タイは「Tax Invoice」の名称明記が重要記載事項の一つであるが、日本は書類の名称を問わない。


3. タイでは「簡易請求書」は仕入税額控除不可に対し、日本では事業によって記載事項を簡易にした適格簡易請求書の発行が認められており、仕入税額控除可である。


タイの Tax Invoice の記載内容で注意すべきこと


 タイの「Tax Invoice」に関して、よくミスし易いランキング上位は下記の通りです。


① 住所の表記/記載ミス

② 取引価額の誤記載(小数点以下の価格の不一致)

③ 本店または支店の未記載


 タイの「Tax Invoice」は、重要記載事項の一文字でも不備があった場合、書類は無効扱いされ、仕入税額控除を受けられず、場合によっては、税金還付への影響を与える可能性もあります。そのため、書類を作成した際、発行者は注意を払って、内容を記載する必要があります。


 一方、書類を受理する側も内容を確認する必要があります。万一、タイの税務監査で、不備のTax Invoiceを仕入税額控除の申告をしたことが発覚した場合、付加価値税の追徴課税の対象になりますので、留意する必要があります。


【免責事項】

本稿は、一般的な事項についての情報提供を目的として作成されたものであり、実際の遂行にあたっては、多くの場合関連法規の検討、並びに専門家との協同が必要になります。このため、執筆者並びにその所属先は、本稿の利用に起因する如何なる直接的・間接的な損害に対しても一切の責任を負いかねます。また、本稿記載の情報は作成時点における調査に基づいたものであり、随時更新される可能性がありますことをご了承ください。


 

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