地球温暖化の問題が身近に差し迫ってきた
今年の夏は久しぶりにコロナ禍の移動制限も解けたので日本にご家族で一時帰国した方もいらした思いますが、あまりの暑さに「日本の夏ってこんなに暑かったっけ?」と思われる方も多かったのではないでしょうか?日本だけではなく、ヨーロッパでも今夏は過去最高気温を更新した箇所が多く、プーケットが避暑地として人気が出ているとの報道もありました。
地球温暖化現象は当コラムでも何度か取り上げているSDGsの考え方の原点とも言うべき課題です。今夏は地球温暖化現象を身近な問題ととらえた方々が多くなってきたこともあり、改めてSDGs及びSDGsを規範とした企業経営/投資の考え方であるESGに関連するトピックとして取り上げてみたいと思います。
SDGs/ESGへの逆風が強まっている
地球温暖化は人類が利便性、快適性を求めた生活、活動をすすめてきた結果生じている。この現実に多くの方がうなずくのではと思います。気温の上昇がいかに自分たちの生活を脅かすか実感を持つ人が増える一方で、SDGs/ESGに逆行する動きも目立ってきています。
例えばアメリカ合衆国フロリダ州議会は、気候温暖化や人種平等に十分に配慮していないと思われる企業を投資対象からはずす運用を運用会社に禁じる法律の制定をすすめています。SDGs/ESGの推進に積極的ではないと見られる企業を投資対象からはずすことで運用資産の最大化がはかられなくなるというのが法律の制定をすすめる理由とのことです。
また、アメリカ合衆国で8月に起きたUAW(全米自動車組合?)の大規模ストライキはガソリン車から電気自動車へのシフトがすすむ過程で人員削減がすすむことに対する懸念が主な理由とされており、SDGs/ESGへの直接的な反対運動ではないものの、結果として逆風となってしまっています。気候温暖化対策が必要と感じてはいるものの、自分の資産が減少することや雇用が不安定になることは許容できないという、生活者として正直な反応なのではと感じます。
企業は大きな力があり、影響力が大きい
利益の最大化が図られない、従来の雇用が守られない、その結果困る人たちがいるのも現実です。しかしその結果、地球温暖化や後進国での貧困の問題をあくまで他人事として考えなくていいのでしょうか?自分や自分が勤務する会社の行動が地球環境に影響を及ぼすなどあるはずがないはない。私たちだけではなく私たちの親や祖父母の時代から皆がそう考えて行動した結果が現在の姿だということは、どこかで冷静に考える必要がありそうです。
企業には地球環境保全をはじめとしてSDGsで問題提起されている諸々の課題に大きな影響力を及ぼす力があり、その企業を動かしているのはそこで働く個々人です。大げさではなく、一人ひとりの考えが、将来の地球環境に大きな影響を与えると考えられます。
私も本音を言えば現代の快適な生活を手放したくありません。しかしSDGs/ESGに逆風が吹き始めている今、将来の世代のために痛みも伴う責任のある行動をとる義務があるのではとも考え始めています。皆様はこの問題についていかがお考えでしょうか?
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