top of page
執筆者の写真深澤 チトラートン

日本とタイの租税条約について


タイの会計業務

日本とタイの間の租税条約について


 日本とタイには租税条約というものが存在しますが、これは一方の国で課せられた所得税及び法人税につき他方の国の税額から控除できるというもので二重課税の排除を目的とした制度で税務上は外国税額控除と呼ばれています。


 タイに子会社を持つ企業の中には日本での決算時にこの外国税額控除の適用を受けることが可能な企業が多くあります。ここでは日本側に焦点を当て、タイで税金を控除して日本に支払った場合のタイと日本の会計処理と日本で法人税を申告する際に租税条約の規定の適用に必要な添付書類について説明します。


例えば日本の親会社が受け取る支払利息の税金は?


 外国税額控除については、親会社へのロイヤリティ、配当金等の支払、親会社からの借入金の支払利息に係る源泉税があげられます。ここでは支払利息を取り上げたいと思います。


 例えば、タイ側で支払利息100を日本側に支払う場合、タイ側では100の支払利息、85の出金、15の預り源泉税となり、日本側では100の受取利息、85の入金、15の法人税を計上しますが、この法人税につきましてはタイで課税されているのはあくまで日本にある親会社で、子会社を通じて間接的に課税されている点にご留意下さい。すなわち受取利息に係る法人税は既に子会社を通じてタイで課税済みということになります。

 

決算申告時の税務基準及び外国税額控除適用の事例

■税務基準

タイ側:支払利息  100 ⇒ 税務上費用計上

日本側:受取利息  100 ⇒ 税務上収益計上


■外国税額控除適用

法人税額:100×32%(税率は任意)= 32

課税済法人税額 (外国税額控除対象額)= 15

納付法人税額:法人税額  32 - 課税済法人税額  15 = 17

 

租税条約適用申請時の添付書類


 日本で外国税額控除の適用を受けるには、タイでの源泉税申告書(P.N.D.54様式)及び源泉税納税証明書の英語版 (Non-Resident Withholding Tax Certificate:R.O.20) を入手し、決算申告時に所轄税務署に提出してください。


【免責事項】

本稿は、一般的な事項についての情報提供を目的として作成されたものであり、実際の遂行にあたっては、多くの場合関連法規の検討、並びに専門家との協同が必要になります。このため、執筆者並びにその所属先は、本稿の利用に起因する如何なる直接的・間接的な損害に対しても一切の責任を負いかねます。また、本稿記載の情報は作成時点における調査に基づいたものであり、随時更新される可能性がありますことをご了承ください。


 

「タイはなんでこんなに月次の決算が遅いんだ!」


「タイはなんでこんなに経理スタッフが多いんだ!」


 タイで働き始めた日本人の方とお話させて頂くと、このような課題を挙げられる方が多くいらっしゃいます。


 タイで決算が遅くなる原因は何か?


 社内業務の効率化に向けた予備知識として、知っておきたいタイの会計・税務を動画にしました。お時間のよろしいときにこちらもご視聴頂けましたら幸いです。



Comments


bottom of page