いまさら聞けないDXとは?【連載 第5回】

いまさら聞けないDXとは?【連載 第5回】

「DX」という言葉、耳にされたことはございますか?

「DX」とは、「デジタルトランスフォーメーション」の略で、企業あるいは社会全体のIT化、デジタル化といった、ぼんやりとしたイメージを抱かれる方も多いことと思います。

「デジタルトランスフォーメーション」とはいったい何なのか?全5回のコラム形式で、ビジネスパーソンとして押さえておきたい「DX」の概要をまとめます。

DXを推進する上でどのような障害があってどのように乗り越えたらいいのか。「今さら聞けないDXとは?」というテーマで五回にわたって連載をしてきましたが、今回が最終回です。皆様の会社のDX推進のヒントになれば幸いです。


GAFAMの評価が下がった?

年明けにFRB(米国連邦準備制度理事会)がインフレ抑制のために3月以降の利上げ方針を明確にした事等をきっかけとして、GAFAMの5企業、すなわちグーグル(アルファベット)、アップル、アマゾン、メタ(旧フェイスブック)、マイクロソフトの株価は急落しました。しかしアップル、アマゾン、マイクロソフト、グーグル(アルファベット)はいずれも過去最高益もしくは準ずる決算内容を開示し、業績は悪化したどころかますます成長しています。株価、業績の今後の推移については分かりませんが、企業向けのサービスを提供しているアマゾン(AWS)、マイクロソフト、グーグル(アルファベット)の業績はいずれも20%以上の成長をしており、当面はこの勢いは続くのではと推測されます。多くの企業がクラウド化を始めとして情報システムの刷新を加速している実情がうかがえます。

DXをすすめる上でどのような障害があるのか

第四回で、レベル0又は1の段階の企業には、まずはトップに近い位置でDX推進の責任者を決めてタスクフォースチームを組成し、社内外の情報収集をすすめると共に現状分析に着手することをおすすめしました。冷静かつ客観的に現状分析を行えば、必ず課題が浮き上がってくるはずですが、ここでさらに前進するためにはいくつか障害も出てくるはずです。課題は一つではなく、必ず複数出てきます。問題は、どの課題から取り組むべきか、その取り組む優先順位がなかなか決められないというのが典型的は障害の例です。事業サイド、特に成功体験が強いほどAIやSaaSを利用した新しいビジネスモデルの導入に抵抗しがちですし、情報システム部門はブラックボックス化した既存システムを刷新することの難しさを訴えてきます。予算もリソースも限られているので、どこから着手すべきか、膠着状態が生まれてしまうのが、DXを推進する上で典型的な障害の例と言えるでしょう。

出典:「DX指標」とそのガイダンス  2019年7月経済産業省

どう乗り越えたらいいのか

ではその典型的な障害をどう乗り越えていったらいいのでしょうか?ここで一番大事なのが、月並みですがトップのDX推進へのコミットメントです。そんな事分かっているよと感じた方も多いと思いますが、なかなか前に進まない企業はこれが致命的に足りないと、コンサルの現場で強く感じてきました。事業部門、バックオフィスが総論賛成各論反対の状態になった時に、判断を下せるのはトップマネジメントしかいません。会社をトランスフォームするのですから現場から必ず抵抗があり、また一時的に混乱を招いたり等、痛みは必ず伴います。痛みを軽減するために、コミュニケーション方法を工夫する、計画策定時にもコンティンジェンシーの計画を複数持っておく、失敗を認識したら柔軟に軌道修正する等、対応策はいろいろと立てられます。優秀な方を責任者として選抜し、その方およびタスクフォースのメンバーをトップが全面的に支援し、最終判断はトップが自分の考えで行わなければ、会社は決してトランスフォームすることはできません。手前みそですが、外部ベンダーやコンサル等を使って膠着しがちな社内の潤滑油代わりに使う手も有効です。社内で膠着した場合、お互いに膠着状態は解消したいのでそんな時に外部第三者の冷静な意見で意外にまとまったりする場面を何度か見てきました。DXが推進できるかはトップが本気で取り組むかどうか次第ということを強く申し上げて、5回連載シリーズの結びとさせていただきたいと思います。

次回以降はその時々の情勢にあわせて皆様のお役に立てる情報を提供していきたいと考えています。引き続きよろしくお願いします。

今回コラムを執筆頂いた方のプロフィール

鎌倉 俊太郎 (ペンネーム)

某大手コンサルティングファーム 監査役

日本公認会計士。慶応義塾大学卒。大手ITベンダー、コンサルティングファームにて、IT、会計分野における企業のコンサルティングに多数従事。(ご本人の希望により、仮名で記載しております。ご了承ください。)
その他のタイ会計コラムはこちら

タイトルとURLをコピーしました