いまさら聞けないDXとは?【連載 第4回】

いまさら聞けないDXとは?【連載 第4回】

「DX」という言葉、耳にされたことはございますか?

「DX」とは、「デジタルトランスフォーメーション」の略で、企業あるいは社会全体のIT化、デジタル化といった、ぼんやりとしたイメージを抱かれる方も多いことと思います。

「デジタルトランスフォーメーション」とはいったい何なのか?全5回のコラム形式で、ビジネスパーソンとして押さえておきたい「DX」の概要をまとめます。

連載第4回目は、DXへの取り組みが出来ていない企業にとって、具体的に何から取り組んだらいいのか、解説します。


コロナ禍がDXを加速させる

年初から米国を筆頭に全世界的にオミクロン株の感染が急拡大しており、先行きが不透明感を増しています。コロナ禍も3年目なのでそろそろ対策疲れも出てきていますが、ワクチン接種の普及、治療薬の発売と、対処方法も確実に拡充してきたのでもう少しの辛抱かなと期待したいと思います。さて、本題のDXですが、言うまでもなくコロナ禍で人と人との接触機会を減らすことが余儀なくされ、DX推進のハードルだった顧客対応に関しても販売側、購買側双方で非接触取引に対する抵抗感が薄れ、コロナ禍がDXへの取り組みを後押ししている状況が企業、中央政府、地方自治体、各公共機関等で出てきました。4回目の今回はより具体的な行動に結びつく内容に話しを進めていきます。

DXへの取り組みレベル

前回、経済産業省が開示した「DX推進指標とガイダンス」を見て、自社の取り組みがどのレベルにあるのか、考えてみようと提言しました。「未着手」のレベル0、「一部での散発的実施」にととまるレベル1、「一部での戦略的実施」段階に入ったレベル2から、「グローバル市場におけるデジタル企業」と評価されて競争優位を確立したレベル5までの5段階がありましたが、最初の断層はDXに関する全社的戦略の有無で別れるレベルと2の間にあり、多くの企業はまだ全社戦略がないレベル1またはそもそも未着手のレベル0の段階にあるとご紹介しました。しかし多くの機関投資家が投資判断基準とするESG(環境、社会、ガバナンス)投資では、DXに取り組んでいない企業を投資対象からはずすなどの動きが顕在化しており、世の中の趨勢はもはや生産性の向上や新しいビジネスモデルの構築を目的として企業内でDXの必要性を検討する段階は過ぎ、DXに取り組んでいない事自体が企業の存続基盤に関わる事項になってきました。いたずらに危機感をあおるつもりはありませんが、多くの日本企業のがレベル1又は2の段階にある現状に安心していられる状況ではなさそうです。

出典:「DX指標」とそのガイダンス  2019年7月経済産業省

どこから取り組んだらいいのか

ではどうしたらいいのでしょうか?「他がやっているから。。」「何か考えてこいとトップに言われた。。」という段階の企業は、まずはトップに近い位置でDX推進の責任者(出来れば事業側の役員又はその地位に準ずる方)を決め、数名からなるタスクフォースチームを組成して他社事例等のDX関連の情報収集、及び各種勉強会参加に大至急着手すべきです。その上で期限を切って、自社の置かれた現状を客観的に分析して経営トップを交えて共有するところから始めましょう。真剣に自社の客観的状況を検討し、競合会社、取引先等の動向も加えれば、必ず課題と対応の方向性が浮かび上がってくるはずです。ここで大事なのは、すぐに個別テーマをばらばらに取り組み始めるのではなく、全社の方向性と優先順位付けを明確にすることです。いたずらに部門単位で限られた予算でPOC(実証実験)を繰り返す事例(レベル1に留まる企業の典型)もよく見かけますが、各論をつめるほどに課題も各論で出てきてかえって先にすすめなくなります。オーソドックスですが、まずは冷静に現状分析を行い、その上で全社戦略の立案に向けて自社の将来の方向性及びあるべき姿に向けて検討を開始することをおすすめします。

今回コラムを執筆頂いた方のプロフィール

鎌倉 俊太郎 (ペンネーム)

某大手コンサルティングファーム 監査役

日本公認会計士。慶応義塾大学卒。大手ITベンダー、コンサルティングファームにて、IT、会計分野における企業のコンサルティングに多数従事。(ご本人の希望により、仮名で記載しております。ご了承ください。)
その他のタイ会計コラムはこちら

タイトルとURLをコピーしました