
いまさら聞けないDXとは?
「DX」という言葉、耳にされたことはございますか?
「DX」とは、「デジタルトランスフォーメーション」の略で、企業あるいは社会全体のIT化、デジタル化といった、ぼんやりとしたイメージを抱かれる方も多いことと思います。
「デジタルトランスフォーメーション」とはいったい何なのか?全5回のコラム形式で、ビジネスパーソンとして押さえておきたい「DX」の概要をまとめます。
DXなんて聞いたこともない! ある上場企業IT部長の困惑
「これからの経営にDXは不可欠だと聞いてきたけどITやシステムの事はよく分からないので情報システム部で何か考えて持ってきてと社長に言われたのですが、どうしたらいいでしょうか?」
これは筆者がコンサルティングの現場で今まで取引もなかった上場会社の情報システム部長から唐突にお電話をいただいて実際に聞いた話しです。とはいえ、弊社も似たような状況だと感じた方も少なくないのが現状ではないでしょうか?
2021年9月24日に発表された経済財政白書によると、大企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みについて全体の74%が計画策定中も含めて対応しているが、中小企業では検討中も含めて38%にとどまり、内容を聞いたこともないと答えた企業の割合は3割を超えていたとのことです。
DXと言われても、そもそもそのような言葉を聞いたこともないという方も多いのは無理がありません。冒頭の上場企業の社長の宿題も、現状ではむしろよくある話しなのかもしれません。
DXは大企業だけの話しではない
しかしDXは、直訳すれば「デジタル技術による変革」と定義されていますが、何も個別企業内のシステム導入にとどまった話しではありません。もちろん企業内部をどうするかが直近の命題ではありますが、取引先、顧客をはじめとする企業と接点のあるステークホルダーとの情報のやり取りは、今後ますますデジタル化が推進されるのは間違いなく、従来のやり方が通用しなくなる可能性もあります。
さらにDXに取り組むのは民間企業だけでなく、日本政府もデジタル庁まで作って国民が身近に利用する行政の仕組みまでデジタル化しようとしており、私たちの気付いていないところで社会全体のDXは緩やかではありますが進行しつつあります。
どうDXに向き合ったらいいのか
「予算がないから。。」とか、「システムに詳しくないから。。」と言って会社全体で何もしなければ、企業としての競争力を落としていく恐れすらあります。一方でデジタル化の進展は、多くの企業にとって飛躍するチャンスが増える側面もあります。
いたずらに不安がるのではなく、まずは個々人が「知ろうとする」ところから始めるのが現実的ではないでしょうか?とはいえ専門書を読むのはかったるいし、何冊か読もうと思ったが最初から専門用語ばかりで最後まで読む気がなくなったという方も少なからずいらっしゃるかもしれません。
そのような方にこれから数回にわたってビジネスパーソンとして知っているべきDX関連のお役立ち情報をお伝え出来ればと考えています。第2回「DXとは」、第3回「弊社はどの段階にいるのか」、第4回「まず何をすべきか」、第5回「DXを推進する上でどのような障害があってどう乗り越えていったらいいか」といったシリーズを考えています。気軽にお付き合いいただければ幸いです。
今回コラムを執筆頂いた方のプロフィール | |
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鎌倉 俊太郎 (ペンネーム) 某大手コンサルティングファーム 監査役 日本公認会計士。慶応義塾大学卒。大手ITベンダー、コンサルティングファームにて、IT、会計分野における企業のコンサルティングに多数従事。(ご本人の希望により、仮名で記載しております。ご了承ください。) |
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