日系新聞の記事でも話題となったBOI損益計算について

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本件における問題の背景


2016年8月30日付け日系新聞の記事にも紹介されたBOI法人の損益通算に関する追徴課税に関する問題は、優遇税制が受けられる投資奨励事業で生じた損益と優遇税制が適用されない非奨励事業の損益の相殺について、

タイ投資奨励委員会(The Board of Investment of Thailand, 以下BOI)、と国税当局の解釈が大きく食い違っていることにより発生した問題である。


BOI及び国税の見解(解釈)


BOIは、奨励事業の損失は非奨励事業から出た利益と相殺した後、
損失が出ている際には別の奨励事業の利益と相殺が可能との考えを示していたが、

国税当局は、複数の奨励事業で利益と損失の両方が生じているのであれば、
最初に奨励事業同士の損益を相殺し、それでも損失が残る場合には非奨励事業の利益と相殺できるという考えを主張している。

BOIの解釈を選択すると企業側は通常の法人税率が適用される非奨励事業で得た利益を優遇税率が受けられる奨励事業で相殺し、全体の税負担を軽減できるという考えになるが、

国税当局の見解を選択した場合、奨励事業内の損益を確定した後、非奨励事業の損益と通算するため納税額の軽減は限定的になるとなる。


BOIの損益通算に関する本件の一連の流れ


今回の判決で追加の税金納付をすることになったタイミネベア社は2008年8月25日に、
タイ国歳入局税当局より約500百万タイバーツの追加支払に関する更正決定を受けたが、
BOIの見解や指導に沿った形で税務申告を行っていたため、この更正決定は正当な根拠が無く容認できないとし、
タイ国税当局不服審判所へ不服申立を行ったが却下されたため、2009年8月25日にタイ中央租税裁判所へ提訴を行った。

その後、2010年10月13日に、タイ中央租税裁判所において勝訴判決が出されましたが、
タイ国税当局は判決を不服として同年12月9日にタイ最高裁判所に上告。
今回、2016年5月16日付けでタイ最高裁判所は主張を棄却する判決を下した。

歳入局は今回の一件で2016年6月15日から8月1日までに修正申告を行うことで加算税や延滞税、罰金の支払いを免除する省令を出している。

また、国税当局としては2009年2月13日に出された第38/2552号「投資奨励事業の損失を法人税免税期間終了後に生じた利益との相殺(控除)に関する決定」からの見解である。


このコラムを書いたのは


J Glocal Accounting 坂田竜一

J Glocal Accounting Co., Ltd.
坂田 竜一 Managing Director
【経歴】
大学卒業後、証券化に特化した会計事務所勤務を経て2009年来タイ。
大手日系会計事務所で 5年間勤務し、日系金融機関ほか多くの日系企業の会計・税務・監査業務に従事する。
2013年12月、J Glocal Accounting Co.,Ltd.を設立、タイと日本の会計・税務の専門家として日系企業へのサポートをを行う。
画像:タイ会計比較.com